在宅医療の対象について
在宅医療は、通院が困難で自宅での療養を希望する患者さんのために、患者さんの自宅などに訪問して診療を行うことです。
当院では、月2回(隔週)の「定期往診」に加え、状態が急変したり緊急に診てもらいたいことがあった場合、
患者さんからの要請で医師や看護師が駆けつける「往診」を24時間365日提供しています。
基本的に年齢や病名、重症度、社会的状況で診療をお断りすることはありませんので、一度ご相談いただければと思います。例えば、以下のようなケースで在宅医療をご利用される場合があります。
- 歩行が困難で、一人で通院できない方
- 現在入院中であるが、これからご自宅で過ごしたい方
- ご自宅で最期を迎えたい方
- 今後の外来通院に不安がある方
- 高血圧、心疾患、骨粗鬆症などの慢性疾患をお持ちの方
- 認知症、物忘れがある方 など
歩行が困難で、一人で通院できない方
訪問診療は、歩行が困難で一人で通院できない患者様にとって、適切な医療サービスを提供する方法の一つです。以下に具体的な利用イメージを挙げながら詳細に説明します。
- 高齢者で車椅子を使用している方: 例えば、Dさん(80代女性)は、膝の関節痛がひどく、車椅子での移動が必要です。ケアマネジャーが介護タクシーでの通院の代わりに、訪問診療を提案しました。地域包括センターの協力で訪問診療をスムーズに開始することができます。
- 一人暮らしで介護が必要な方: Eさん(70代男性)は、寝たきりの状態であり、家族も近くに住んでいないため、通院が困難です。病院のMSWと訪問看護師が連携し、訪問診療が適切であると判断し、訪問診療を開始します。
- 慢性疾患で通院が困難な方: Fさん(60代女性)は、慢性的な疼痛や腫れがあり、歩行が困難です。地域包括センターが訪問診療を提案し、Fさんは通院の負担を減らすことができました。
訪問診療は、患者様の生活環境や状況に応じて柔軟に対応できる医療サービスであるため、患者様のニーズに合わせた適切な提案が可能です。
現在入院中であるが、これからご自宅で過ごしたい方
訪問診療は、入院中の患者様が自宅で過ごすことを希望する際に適切な医療サービスを提供できる方法の一つです。以下に具体的な利用イメージを挙げながら詳細に説明します。
- 療養型病棟で過ごしているが、家族との時間を大切にしたい方: 例えば、Aさん(50代男性)は、療養型病棟で過ごしていますが、家族と一緒に過ごす時間を大切にしたいと考えています。病院のMSWとケアマネジャーが連携し、自宅療養が可能であると判断し、訪問診療を開始します。
- がん治療の末期で、自宅で余生を過ごしたい方: Bさん(60代女性)は、がん治療の末期で、自宅で余生を過ごしたいと希望しています。訪問看護師と地域包括センターが連携して、自宅での緩和ケアと訪問診療を提供し、Bさんの希望を叶えます。
- 認知症が進行しており、家族が自宅での介護を希望する方: Cさん(70代男性)は、認知症が進行しており、家族が自宅での介護を希望しています。ケアマネジャーが、訪問看護師や地域包括センターと連携して、訪問診療や介護サービスを提供し、Cさんが自宅で過ごすことができます。
訪問診療は、患者様のニーズや家族の希望に応じて、柔軟に対応できる医療療法の一つです。訪問診療を検討する際には、患者様が安心して自宅で過ごせるよう、適切なサポート体制を整えています。
ご自宅で最期を迎えたい方
ご自宅で最期を迎えたいと考える方に対して、訪問診療は適切なサポートを提供できる選択肢です。
- 事例1: Bさん(70代女性)は脳梗塞による麻痺があり、自宅での介護が必要でした。Bさんは入退院を繰り返していましたが、最期は自宅で過ごすことを希望していました。病院MSW・ケアマネジャー・訪問看護・地域包括の皆様が連携し、訪問診療を導入。在宅で症状管理ができるようになり、Bさんは自宅での最期を迎えることができました。
- 事例2: Cさん(60代男性)は末期の肺がんを患っており、自宅で看取りを希望していました。病院MSW・ケアマネジャー・訪問看護・地域包括の皆様が一丸となり、訪問診療を組み込んだ在宅ケアプランを策定。Cさんは緩和ケアを受けながら、ご家族に囲まれて自宅で安らかに最期を迎えました。
在宅での緩和ケアや在宅での看取りを希望している場合、病状が重い場合や、日常生活に支障をきたすような症状がある場合には、患者さんが穏やかに過ごせるような配慮が必要となります。訪問診療チームは、患者さんの症状を把握し、適切な医療ケアを提供します。
訪問診療は、患者様やご家族のニーズに応じて柔軟に対応できる選択肢です。病院MSW・ケアマネジャー・訪問看護・地域包括の皆様と連携し、適切な判断を行うことで、患者様が自宅での最期を迎えられるようサポートしていきます。
今後の外来通院に不安がある方
在宅医療は、通院が困難な患者様に対して、自宅で療養することができる選択肢です。
Bさん(70代女性)は、脳梗塞による後遺症で右半身が不自由な状況でした。自宅で介護を受けながらリハビリを続けていましたが、通院が難しくなることが懸念されました。また、家族も外来通院の負担が大きくなりつつあることを感じていました。
地域包括支援センターやケアマネジャーと相談した結果、訪問診療を導入することになりました。訪問診療により、Bさんは自宅での療養を続けることができ、家族も通院の負担が軽減されました。
訪問診療を利用する判断基準としては、以下の点が挙げられます。
- 通院が困難であること
- 本人や家族が自宅での療養を希望していること
- 入院先の病院やケアチームが自宅での療養が適切であると判断していること
高血圧、心疾患、骨粗鬆症などの慢性疾患をお持ちの方
綾瀬中央診療所では、慢性疾患を抱える患者様が安心して在宅での医療を受けられるよう、訪問診療を提供しています。
例:80歳の女性患者様は心疾患と骨粗鬆症を持っており、病院での治療が必要と判断されましたが、家族とともに自宅で過ごすことを望んでおりました。病院MSW・ケアマネジャー・訪問看護・地域包括の皆様が連携して、当院の訪問診療を利用することにより、自宅での治療を受けることができました。
訪問診療を利用する判断基準は以下の点が挙げられます。
- 慢性疾患があり、病院通院が困難な方。
- 自宅での療養を希望し、家族や介護者がサポートできる状況である方。
- かかりつけ医が在宅医療を推奨している方。
訪問診療を検討する際に、患者様の状況や希望を十分に考慮し、適切な判断ができるようサポートいたします。
認知症、物忘れがある方
綾瀬中央診療所では、認知症や物忘れがある方も在宅医療の対象としてサポートしています。
事例: 80歳代の男性で、アルツハイマー型認知症が進行しています。物忘れがあるものの、家族の支援を受けながら自宅で暮らしています。自宅での療養を希望しており、訪問診療を利用しています。日常生活でのサポートが必要な箇所がありますが、家族とともに地域の支援を受けることで自宅での生活を継続しています。
訪問診療を利用する判断基準は以下の点が挙げられます。
- 認知症や物忘れがあり、日常生活に影響がある場合
- ご本人や家族が在宅での最期を希望している場合
- 病院への通院が困難な状況である場合
訪問診療では、病院MSW、ケアマネジャー、訪問看護師、地域包括支援センターなどと連携し、患者様の生活全般をサポートしています。状況に応じた医療や介護の提供を行い、患者様が自宅で安心して過ごせるよう最善を尽くします。瀬中央診療所では、患者様とそのご家族のニーズに応じた在宅医療を提供し、安心で快適な生活をサポートいたします。
